19世紀末頃、イギリスの皇室.貴族と交流がある日本の皇室に贈られた品にフェアリーランプがあったのです。当時、まだ目新しいフェアリーランプはイギリスでも稀少なものであったでしょう。外国の皇室用のお土産として使われ、こんなにも早く日本にフェアリーランプが入っていたとは驚きです。
明治天皇の皇太后が持っていたフェアリーランプ
1998年2月、東京西荻の和骨董店主、鈴木氏よりフェアリーランプの写真18枚とランプの入っている木箱の箱書きの写真1枚おくられてきました。真贋の確認を問われました。私は和骨董の世界は知りませんが、こんな貴重な物も日本の骨董市場に出ることにも驚きました。
フェアリーランプは私の持っている19世紀末の作品と全く同じ時代のガラスでした。したがって木箱も当然、当時の物と思われます。
箱書き
箱書きには、
英照皇太后御遺物之一
硝子燭臺
明治30年3月
久元自記
とあります。
英照皇太后
英照皇太后は明治天皇の嫡母(実母ではない)として皇太后に冊立された。1897年(明治30年)1月、62才で崩御。
土方久元
土方久元は明治天皇を支える宮内大臣として長く職務にあたり、明治28年伯爵になる。明治31年に宮内大臣を辞す。
明治30年3月に土方久元が英照皇太后の遺物として拝領したフェアリーランプであると思われます。
ネルシーガラス、バーミーズガラス、エッチングガラス
白ネルシーガラス 一部分 1880年代 布製台カバー付き 高さ13cm 赤ネルシーガラス 1880年代 布製台カバー付き 高さ13cm バーミーズガラス 1880年代 布製台カバー付き 高さ13cm エッチングガラス 1880年代 布製台カバー付き 高さ13㎝現在も鈴木氏はこのランプ所持していますので興味がある方は、骨董 「K&Y」 へご連絡ください。
あとがき
鈴木氏は日本のあかりの道具を中心にあつかう和骨董店を20年以上東京西荻で営んでいます。照明文化研究会にも長く所属しており、あかりの文化に真摯に向き合っている人です
現在は現役を引退しましたが、お聞きになりたいことがあれば下記のメールでご連絡ください。